GXとはグリーントランスフォーメーション(Green Transformation)を略した言葉で、経済産業省エネルギー白書によると「産業革命以来の化石エネルギー中心の産業構造・社会構造を、クリーンエネルギー中心のものへと転換する」ものとされています。*1
これまでも気候変動対策の一環としてクリーンエネルギーは推進されていましたが、GXは日本の産業と経済、そしてエネルギー政策の大転換を目指し、社会全体を変革するものです。
エネルギー供給構造の転換を目指すGXと切っても切れない関係にあるのが、カーボンニュートラルです。この2つは混同しやすいため、一旦ここで整理しておきましょう。
カーボンニュートラルとは、温室効果ガスの排出量と吸収量をバランスさせ、合計で排出量を実質ゼロにすることです(図1)。*2
図1:カーボンニュートラルとは
出所)環境省 脱炭素ポータル「カーボンニュートラルとは」
https://ondankataisaku.env.go.jp/carbon_neutral/about/
GXとカーボンニュートラルはどちらもクリーンエネルギーの推進によって脱炭素を目指すものではありますが、GXでは脱炭素だけでなく、GX関連技術による経済成長やエネルギー自給率向上による安定供給の確保も重要な軸となっています(図2)。*3
図2:GX(グリーントランスフォーメーション)の3つの軸
出所)経済産業省「日本のエネルギー政策について~GX実現に向けて~」p.5
https://www.kanto.meti.go.jp/press/data/20230630_gx_setsumei_shiryo.pdf
つまり、GXはカーボンニュートラルもひっくるめた取り組みで、温室効果ガス削減だけでなく、脱炭素化に伴う経済成長やエネルギーセキュリティの向上を実現させるものです。